烏賊の部屋

日本近海のイカの種類は90種あるそうです。
大きくはコウイカ類(コウイカ科)、ヤリイカ類(ジンドウイカ科)、スルメイカ類(アカイカ科)の三種に分けられ、なじみのアオリイカはヤリイカ類に入ります。
コウイカ(モンゴイカ、スミイカ)は伊東ではあまり見ることが無く、形も小さいため対象魚としてなじみがありません。
スルメイカ(マイカ)、アカイカ、ヤリイカが対象魚になっています
秋から春にかけヤリイカ
春から夏にかけアカイカ
通年スルメイカといったサイクルですが主たる漁種であるスルメイカは減少傾向になっています
昔は鉛角、ベークや牛、鹿の角でできたサッポロ角、竹角が普通でしたが現在ではプラスティック樹脂のプラ角が主流です
日本海や北海道にあるような大型のイカ釣り漁船は伊東にはなく主に手釣り(シャクリ)で行っています
また漁獲されたイカの多くは生かしたまま活魚に使われます
イカは地方によって呼称が様々ですし、漁法も違うようです。独自のものがあればお教え頂ければ幸いです。

☆伊東における主なイカの種類と釣法
◎スルメイカ(マイカ) スルメは主に14cm〜18cmのプラ角等
春から夏のムギイカは4匁の鉛スッテ、2号の浮きスッテ、11cmのプラ角等
◎アカイカ アカイカは主にスッテ角
◎ヤリイカ ヤリイカは主に11cmのプラ角
◎アオリイカ アオリイカは主に餌木の引き釣り、シャクリ釣り
*イカの画像及び解説は奥谷喬司氏の「WEB版原色世界イカ類図鑑」を参照してください。
☆スルメイカの漁法(漁期;昼イカ6〜12月、夜イカ周年)
近年イカ釣りロボットの開発により装備する船もありましたが漁獲の減少につれて普及はしていません
船縁にガラを装着し巻き上げ機を使った縄釣りが一般的ですが、多くの船は手釣り、竿釣りで釣って、活魚出荷の関係上、魚体を極力傷つけないように船倉の生け簀で活かします
仕掛けは18cmプラ角二段針10〜20本の直結仕掛けで水深により80号〜120号の錘を底まで落とし徐々にシャクリ上げます
釣れる棚が決まっても間隔を変えずにシャクリ上げるのがコツです。手返しを素早く行い再度同じ事を何度も繰り返すことで釣果に差が出てくるとイカ漁師は言っていました
また、夜イカ釣りは光源ワット量の上限を漁場で決めてあり、北海のそれより明るくありません(物の本によればイカの好む明るさがあるようです)また地区によっては資源保護のため夜釣りを自粛している所もあります
初夏の風物詩ムギイカは主に小型のスッテや11cmのプラ角の枝針仕掛けで釣りますが、喰い渋るときは鉛角の直結が有効です。なお一番下の錘上にトトスッテやウキスッテを流すと大型のアカイカが釣れる場合があります。
☆アカイカの漁法(漁期;3〜7月)
アカイカの場合はほとんどが布巻き浮きスッテを使っています。また魚型の浮スッテ角、テーラ角を下錘のすぐ上に枝素で出しても効果があります
手返しの関係から浮きスッテも四号の二段針で直結仕掛けが多いようです
竿釣りの場合は枝針が一般的です
☆ヤリイカの漁法(漁期;11〜3月)
ヤリイカは足が切れ易いので細針(0.6)、短角(11cm)を使用します。この辺りではバラシを少なくするために二段針仕様の枝針仕掛けが一般的です

☆イカ釣りメモ☆
○イカ針についた墨やゴミはこまめに落とす
○透明感や光沢のなくなったイカ角は交換する
○水氷に直に入れずビニール袋等に入れるとイカの色が褪めない

☆イカ釣りの現状☆
近年アオリイカの陸釣りが増え、漁業関係で問題視されているようです
伊豆の漁協のほとんどは産卵場所の造成や稚魚の育成に力を入れています
そのため育成場所の港(堤防)付近でイカ釣りの規制が行われています
陸からの釣りが増えたのが原因とばかり言え無いのでしょうが
伊東におけるイカの漁獲高は減っているのが現状です
イカ角も漁具メーカーが量産した化学製品が普通になり、また使用するイカ角も多種多様なものが出回っており、この種類にはこれと一概に言えなくなっております。また量産品に頼らざるを得ないため、長年使い慣れたイカ角が急に製造中止になることがあり、漁師さんも釣法も含めて変化せざるを得ない状況になっております

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